最近の1年分くらいの出来事が先月ひと月に起こった。
3月は夢のような時間が流れた。

「だった」と書いたが関わっていることはまだ終わっていない。
とても短くは書ききれないが、何を置いても先日ここに書いた、
友人のボリウッドマンのことを書いておこうと思う。
私の生活の糧を得ている仕事はグラフィックデザインである。
映画作品の配給先がやっと決まったのはよかったが、意外にも作品タイトルの決定に時間がかかり、
しかしその後は一気にタイトルデザインから試写状、ポスター、チケットに
プレスシートという関係者向けのパンフレットとB5サイズのフライヤーまでを
ふだんの仕事に乗っかる形で3月中に作ることになった。
しかも実は映画は1本ではなく、2本だったのだ。
女性向けの心温まる作品と、もう一本はクレイジーなアクション作品、
世界のまったく異なる2作をその都度頭を切り替えながら絵を思い浮かべて作業した。
それぞれ前後はするが、ほぼ同一時期に公開するから進行もほぼ同時だ。

友人とは小学校の同級で、一緒に映画館に行きはじめたのが中学、
以来一歩もぶれることのない映画ファンを友人は貫いている。
地元奈良で最も古い劇場を親類に持つ彼は、
『ニューシネマパラダイス』のトトを地でいくような少年時代だった。
そういう友人を持った私もまた幸運で、電車賃だけ持って友人と奈良へ行き、
裏口(というより裏木戸)からタダで入れてもらったことも今となっては時効だろう。
私もそれ以来の映画好きだが、今となっては実に長いつき合いとなってしまった。
まさか将来、彼が個人で映画を海外から買い付けてきて、(しかもインド映画!)
私がその映画のポスターを制作するなどとは、
少年時代はもちろん、この業界に入ってからも想像すらしなかった。
その頃からお世話になった彼の母上は今、この二人の姿を見て
いったいどんな感慨を持っておられることだろうかと思う。
しかし二人にとってはファンタジックな出来事でも、仕事としてはもちろん夢ばかりではない。
私としては友人が有り金はたいて買ってきた作品なので
「一枚でも多くチケットを買ってもらわねば!」という気負いがあり、
無難に傾く配給会社の社長に「これ!」と思うデザインを直談判して説得もした。
そうやって作った宣伝ツールは今の自分が全力投球したもので、
初夏の公開を控え、あとはチケットが売れることを願うばかりである。


水野晴夫という映画解説者がいた。
当たり障りなく何でも褒めちぎるトークや政治に顔を突っ込んだりした当時の人物像は、
反感を通り越して失笑と哀れを誘うものだった。
しかし晩年、自分の全財産を投入して映画を自作した。
しかも作品はたいへんな凡作だった。(そこがまた素晴らしい)
あまりの珍作ぶりに逆に熱狂的なファンを生み、江戸・ウッドとも呼ばれた。
しかし私はその晩年をとても評価している。えらい!と思うのである。
人は人生も黄昏時になってそこそこのお金を手にしたとき、
自分がかつてやりたかったことに、失敗を承知の上で全額投入することができるだろうか。
水野氏は手にした資金をすべて自分の映画につぎ込んだ。
しかも主役のアクションヒーローさえ、すでに老境に入った自演というむちゃぶりである。
普通なら大コケにこけるところが、どういうわけか奇を好むファンに支えられた。
その意味で幸運であり、映画界一の幸福者だったかもしれない。
「だから」と言ったら怒られそうだけれど、
退職金を映画興行に投入した友人のボリウッドマンもまた「えらい」と思うのである。

限られた時間に私は古い友人、映画ファンとして全力で力を合わせたが
どれだけ報いることができただろうか。
しかし間違いなくお互い一生に一度の仕事になったはずだ。
公開は初夏である。
「マダム・イン・ニューヨーク」
ダバング 大胆不敵」という作品名で、予告編はネットでも公開中。
興味を持たれたら是非。

というわけでその間、画筆は一度も手にはしなかったのである。

MINYポスター
(アクション作品のほうはまだポスターがあがってきていない)
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二輪差し-1

これは何に使うかというと、
Bed-1

先日一年ぶりにベビーベッドが返ってきた。
近所のセガレの同級生宅で赤ちゃんが生まれたので、
うちで本来の使い方をされずに長く荷物入れになっていたベッドを
これ幸いと使ってもらっていたのだった。
赤ん坊がつかまり立ちするようになるとちょっと危なくなるのでと、
先日返却されてきた。
このベッドは次男坊誕生の時に私が手作りしたもので、
私なりのアイデアがいくつか生かしてある。

Tag:ベビーベッド

東京にやってきて風呂無し四畳半のアパートに転がり込んだ頃、
新聞の折り込みに、定期的に東急ハンズのカタログチラシが入っていた。
ハンズで取り扱っている商品を使ってつくられた巧みなジオラマが表紙になっていた。
何かを創りたい、制作意欲をかき立てられる、
わくわくするようなそのビジュアルに魅せられた。
「こんな仕事ができたらどんなに幸せだろう」
まだデザイナーにもなれず、インチキ事務所の営業回りをしていた頃の夢だった。
それから2年後、なんと私はこの仕事を現実に担当することになった。

ハンズの折り込み

Tag:東急ハンズ

もう10年以上前、
長男一歳の誕生日前日に思いつき、
仕事のかたわら、Macで1日で作った絵本。
大ざっぱで恥ずかしい限りだけれど、
実際はプリントアウトして紙の絵本にしてプレゼントした。
まだ1才のセガレが、一目見て「犬」や「猫」とわかってくれたのが
何より嬉しかったことを思い出す。
 (注)音楽が流れます。

Tag:絵本

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