佃小橋油彩、F4)
佃島界隈を午後やや遅めの時刻に歩いてみた。
この風景の右側にはバブル期に建設されたタワーマンションが隅田川に面して林立している。
一見未来都市にも見えるこの町には、同時に古い下町も残っている。
この狭い土地の住人が、一部とはいえよくも地上げに飲まれずに残ったものである。
今、虫食いのように開発に浸食されながらも残った家屋はいたって静かで、
地上げの嵐をしのいだひととき、一息ついているように見える。

当時、地上げによる下町の乱開発は「町殺し」ともいわれた。
先日帰省した折、荷物を整理していて1987年の古新聞が出てきた。
そこに同年の地価公示価格一覧が出ていたので見てみると
東京を初めとする大都市圏の前年とその年の地価の上昇がすさまじい。
たった一年で2倍から3倍になっている。
別のページを見ると、円はこのときまだ145円付近の値をつけている。
このあと、数年にわたってさらに地価と共に上昇していったわけだから、
不動産を土俵にして、日本が興奮の極みにいたことが想像できる。
ここ10年の中国はそれをはるかに超える景気というから尋常ではない。
バブル当時、私は東京に来たばかりの地べたを這いずり回っていた時代であり、
その狂乱の蚊帳の外にいた。
今も地べたを行く状態にはあまり変わりがなけれど、
好景気のときには蚊帳の外に、不景気のときには渦中にいるのは「なぜだ」と言いたくなる。
さらにその新聞を見てみると、大都市圏以外の地価はほとんど変わっていないこともわかる。
バブルは大都市圏だけのお祭りだったようだ。
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Tag:油彩 Landscape Paysage 風景画

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