Le Havre
(ペン、インク)

最近、昔見た映画を何本か再見し、そのどれもがよかった。
映画を見るのは好きだけれど、それについて文章を書くのは苦手で難しい。
再見してやはりよかったので、忘れないように書き留めておきたい。
うち一本はアキ・カウリスマキ監督の「ル・アーブルの靴みがき」で
カウリスマキ監督にしては珍しい、明るいハッピーエンドになっている。

舞台となるフランスのル・アーブルに、
仲がいいのか悪いのかわからない移民たちが暮らしている。
ふだんはバラバラに生きている彼らのうち一人の靴みがきの男が
アフリカからの難民の子供をかくまったのをきっかけに一つになり、
その子を母親が住んでいると信じるイギリスへ向けて送り出す、というストーリーである。
シリア難民問題以前の作品だけれど、
移民、難民への風当たりはそれよりもずっと以前から強かったのだとわかる。
この問題について日本は物言える立場にも資格もない。
この監督の映画に出てくる人物はどれもがぶっきらぼう、
ストーリーもぶっきらぼうながら、じんわりとあたたかい。
近所のTSUTAYAではどういうわけかコメディの棚に並んでいるくらいで、
映画はけっして暗くはない(でもコメディでもない)。
監督は日本の小津安二郎監督を非常に尊敬していて、影響も受けていると言っているけれど
小津作品のように虫も殺さぬような善人ばかりが登場する非現実的な世界ではなく、
社会、それも多民族社会に置かれた一人の人間としてのリアリティがある。
再見したが、やっぱりよかった。
いい映画というのは繰り返し見てもやはりいい映画のことをいうのだろう。
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