高田馬場高架下(ペン)

友人と久しぶりに会った。
高田馬場という珍しい場所で、関西人にはうれしい串カツ屋にて8ヶ月振りの再会。

30歳になるかならないかの頃(90年前後か)、
東京に転勤してきた友人とその夜二人して銀座の山野楽器ににいた。
男二人で銀座とは、おそらく映画の帰りだったのだろう。
当時も今も、銀座に行く用事とはまず映画以外にない。
六本木WAVEが当時の先端を行くCDショップなら、
山野楽器は、品揃えとセンスでやはり老舗の風格があって
銀座に出たら必ず寄っていたCDショップだった。
(ちなみにここは今もまだ健在)
その日店内の客は少なく、おそらく閉店時間も近かったのだと思う。
二人並んでLDだったかCDだったかを物色していたら、
アメリカ人に声をかけられた。
ちなみに当時はまだDVDはなくて(!)、
販売メディアがVHSかLD(絵の出るレコード「レーザーディスク」)だったとういうのは、
たかだか25年ほど前のことなのに隔世の感がある。

ところでアメリカ人のおじさんは、
「ミスサイゴンはどこに置いてあるのだろうか」と我々に英語で聞いてきた。
おじさんを案内したのは英語に堪能で、Sellメディアにも極めて明るい友人で、
実はおじさん、たいへんなミスサイゴンフリークスだとわかった。
ブロードウエイはもちろん、世界中の舞台を見て回っているのだという。
こういうマニアは意外に多くて、たとえば劇団四季のミュージカルを
日本全国で見て回っている人が友人の同僚にもいるそうだ。
同じ演目でも演じる役者が違っていたり、脚本が少し変わっていたりするらしい。
その違いを楽しむという贅沢な趣味に驚いたものだ。
しかしおじさんの場合は世界を股にかけていてスケールがちょっと違う。
再度話を戻しておじさん、ミス・サイゴンを世界中を見て回ってきたが、
日本の本田美奈子の舞台は、世界中で最も素晴らしかったと絶賛していた。
海外作品を日本人が演じて、さらにはるばる海外からやってきた目の肥えた観客が、
本場のブロードウエイよりもよかったと直に聞くのは
何ともうれしく、誇らしかった。
まったく惜しい女優を亡くしたものだ。

ところがミュージカル好きでサイゴンおじさんを案内した当の友人は、
この日その話を私から聞いても、
まったく覚えていないのにはもっと驚いた。
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