街と新聞に見る、都市と地方

 04, 2011 20:32
北海道に移り住んだ弟一家が私用があって東京にやって来た。
羽田から電車でこちらに向かう途中、街のあまりの明るさにびっくりしていた。
彼らは東京へは何度も来ているので、初めて見る東京ではない。
夏の節電に首都圏が苦しんでいたニュースを見ていたので、
てっきり以前よりは暗くなっている東京を想像していたのだそうだ。
北海道では節電に努めて今も街全体がほの暗いらしい。
日本中のほぼすべての原発が止まり、電気を使いたい放題に使ってきた反省があり、
原発事故収束のめどが立たない状態ではあたりまえのことだろう。

泊原発を再稼動したことに抗議する声は東京でも多かったが
その北海道は今も節電に努めており、電力不足の東北に送電もしている。
翻って東京はどうだろうか。
一般家庭では今も節電に努めている家庭も多いだろうが、
街中は夏の電力不足を乗り切ったら元に戻り、
以前と変わらぬ生活を享受している。
「次はまた冬に頑張ろう」ということだろうか。
・・・・

先日郊外へ出かけたとき、その駅のホームの明かりが昼間より明るく、
節電中くらいの明るさがちょうどよかったのに、と思っていたところだった。
他の地方からこれを見れば、東京は一番電気を使うのにどうして節電していないのか
不思議でならないらしい。
少なくとも他所からやってきた人からは街を見てそう見える。
全くの正論で返す言葉もない。

土産にくれた自分の果樹園でとれたぶどうを包んできた新聞紙に目が留まった。
その日の朝の北海道新聞だった(写真)。
同じ日の日経新聞を読んでいて、九州の玄海原発再稼動についての報道が
中面の第5面、その扱いがあまりに小さかったことに、
これが「経団連の御用新聞」ということかと腹を立てていたが
北海道新聞では一面のトップ記事になっていて、認識の差に驚いた。

わかりきったことだけれど、玄海原発からの距離は東京の方がずっと近い。
東京は北海道と九州のほぼ中間地点になる。
九州から約1500km離れた北海道でこの扱いなのである。
対して、全国紙などの扱いは関西圏でも事情は同じで、
先日大阪から来た友人も、関西では節電の意識も薄ければ
原発事故のその後についての関心も薄いと言っていた。
もっとも、北海道新聞も脳天気に拍手できるものではなく、
「原発事故後、トラブルで停止した原発の再稼動は初。」
という記事の書き方が象徴している。
~この日本で泊原発以外にも原発が動き始めましたよ~、とも
~泊原発は実際にはずっと動いていたので「再稼動」ではないのです~、とも読める。
おそらくその両方で、これも結局は(泊)原発擁護の報道になるかもしれない。
しかし少なくとも狭い日本で地方と都会では、
人と新聞の両方で、ともにこれほどとらえ方が違うことを、
都会に住む私たちは知っておいた方がいいと思う。
TPPしかり、原発が例外ではないはずだ。

北海道新聞
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