パステルのメーカーあれこれ

 06, 2012 11:38
My Pastels

現在ソフトパステルを使う人はかなり減っているそうだ。
東京に来たばかりの時に仕事で一度使ったことがあったが
作業が終わった夕方に鼻をティッシュでぬぐうと、使った色に染まった記憶がある。
描く時に粉になったものをかなり吸い込んでいるということだろう。
描いている部屋にもかなり飛散している。

この画材を今また使いはじめるにあたり、
以前オイルパステルでは混色がしにくかった経験があったので
今回は最初に100色以上のセットを買ってしまったが、これは失敗だったようだ。
やはり絵の具と同じで、必要なものを買い足していった方が無駄がない。
風景か人物用セットがあったなら自分がよく描く方の、20色くらいのセットを買い、
足りない色を補っていったほうがいいと、どこのサイトでもそのようにアドバイスがある。
また、大きなサイズで描けば過去の巨匠のように画面上のタッチで混色することも可能だが
4号程度のサイズであればちょっと難しかった。
暗いグレーや黒は絵の具と違って混色では出しにくい。
ひと言書いておけば、混色によってさまざまな色を作るトレーニングには不向きの画材とも言える。
絵の具等他の画材なら12色ほどあればほとんどの色を作れるものが、パステルでは難しい。

絵の具と違ってどこの画材屋でも色数がそろっているわけではないので
買い足すにも色が足りないごとに出かけていっては時間も交通費もかかる。
私自身、たった1色選ぶのにもかなり時間がかかっている。
けれどもあせらずに少しづつ買い足していくべきだろうと思う。
私が最近描いたパリの画も、上の写真くらいあれば十分に描ける。
よく使う色を別の箱に入れてまとめたらこれくらいになってしまった。
最も使いやすいと思ったラウニー社は実際は1本しか使っておらず、
国産のものも使ったことがない。
データとしてはかなり不足しているので、あくまで参考に、
私自身の現時点での備忘録として書いておこうと思う。
・・・・

オランダ製のレンブラント(@262円)は、色数も全203色とやや多目で、
セットでの価格も手ごろだがタッチは堅め、というか私にはちょっと堅すぎた。
微妙な彩色をすべきところが色鉛筆のような筆跡が残ってしまう。
他社に比べ特徴的なのは、コバルトやカドミウムなどの重金属を一切使っておらず
極めて安全だということ。
他社にその記述は見つからなかったが、確認漏れかもしれない。
絵の具と同様の原料を使っているので、それに準ずるということだろう。
家族ひしめく狭い我が家では粉の飛散が気になったのでこのメーカーを選んだことを今思い出した。

W&N(@262円)は柔らかくて着色がしやすいがもろく、砕けやすい。
全200色、ベージュなどの肌色と茶系のレンジ幅が広く、
店頭で試し描きでして色がすばらしかったので少し買って使っている。
ネット以外では扱っている画材屋が少なく、
世界堂店頭でさえ半分くらいしかそろっていないのは何故なのか、と思っていたら
なんと製造が中止されてしまったそうで、非常に残念だ。
私自身は値段も手頃で色味と描き味もよく、一番気に入っていた。
ネットで探せばまだ売っているところはあるが、在庫分限りだろう。

仏製セヌリエ(@525円)は高価だが、
仕事場近くに全色揃えている店があるのでここで買い足すことが多い。
W&Nとよく似た感触で、525色の色揃えも心強い。
どちらも着色のしやすさは抜群だ。
紙のテクスチャーにもしっかり食い込み、紙の地肌が見えるピンホールもできにくい。
このセヌリエで必要な色はすべてそろいそうなものだけれど
ただちょっと私には高価で、柔らかいのはいいがもろくて砕けやすいのが難。

英製ラウニー(@241円)は価格も手頃で堅さが
W&N、セヌリエとレンブラントの中間くらいでちょうどよく、
パステル粉に若干の粘りがあって、粉が飛散しにくい。
残念なことにその使いやすさに気がついたのがほぼ必要な色がそろった時で
使っているのはオリーブグリーン一色である。
1本ごとにシュリンク包装されており、店頭で試し描きできないのが難。
全182色で、グレー系のレンジと黒に近い濃い色に不足があり、
他のメーカーで補う必要がある。

実際セヌリエ以外は200色前後の色揃えなので、
どこを使ってもそこだけでは不足を感じるだろう。
必要な色はせいぜい50色ほどで事足りるとしても、
各社で力を入れている色味というのがある。

以上のメーカーを実物で比較すると
pastels
左から2本までレンブラント、さらに2本がW&N、次の1本がラウニー
次の2本がセヌリエ、右2本細長いのがファーバーカステルである。
この中ではラウニーがもっと太い(シュミンケもほぼ同じ)が長さは少し短い。
それより若干細いのがW&N、次いでレンブラント、ソフトパステルで最も細いのがセヌリエだ。
顔料の量的にもセヌリエが一番少ないだろう。

独製シュミンケ(@630円)は非常に高価で、店頭ではすべてスティックはシュリンク包装され
これも試し描きができないので単色での色の検討が無理で、
スティック自体の色を見て判断するしかない。
かなり柔らかく、ワンタッチでごってりと粉が盛れるらしい。

高価といえば、ドガやルドンが愛用したことで知られるメゾン・ドゥ・パステル社は
最多の1650色を誇るが、日本で購入するなら1本あたり5000円はするはずだ。
製造国のフランスでもかなりの高級品であり、もはや一般的な画材とは言い難いので、
通常使える画材としてはセヌリエが最多のメーカーだろう。

最初に入った会社で買ってもらった当時西独製のファーバーカステル(@292円)をまだ持っている。
fabercastell
木製ケースに入った豪華な72色セットは、目の前にあるものを描くには全体に鮮やかすぎ、
その後は使うこともなかった。
コンテのようなハードパステルは細かい部分を描きやすいが
メーカーにも120色ほどしかないので、やはり不足を感じる。イラスト用か。
堅いせいで折れやすい。

最後に、細かい部分を描くためにペンシル型のものを以前に買ったことがあるが
これはあまり使わなかった。


自分オリジナルのセットを揃える場合、
まず好みのメーカーのグレー系数本に人物を描くならベージュの肌色系、
風景なら樹木や草などを描くグリーン系と空のブルー系を加え、
さらに茶系、陰の部分に使えるような薄め~暗めのパープルを加える。
(人物の肌は柔らかめのものが描きやすいと思う)
それぞれの系統に暗めから明るめを最低3本は必要かと思う。
それで人物と風景両方描くとしても
まずは40~50色くらいのオリジナルセットでとりあえず描ける。
そこからさらに必要な色を買い足せばいいのではないか。
私の場合はまず大きなセットを買ってしまったので
とくに鮮やかな色に無駄がかなり出てしまった。


サンプルとしては国産もなく不足していますが、以上が私の私見です。
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