パステルの下塗りとフィキサチーフについて(その2)

 09, 2012 02:59
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前回につづき、
手元にあった別のオイルパステル用のフィキサチーフを使って、
苦し紛れの実験をしてみた。
上の左(A)は前回にも使った、パステル専用のフィキサチーフ、
右(B)はオイルパステル、重色用(加筆用)の一時定着剤(ターレンス社)。
これを使ってやってみる。
なぜこれを使ってみたかというと、
ジェッソが通常のフィキサチーフをはじいているかもしれない、と思い、
ならばオイルをなじませる(B)ならどうにかしてくれるのではないか、と思ったわけだ。
まずカラージェッソを塗ったマーメイド紙を用意し、
これに A:パステル用フィキサ、B:オイルパステル加筆用の定着剤を、
それぞれ点線の枠内に噴霧する。
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この上にパステルで着色する。
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これに再度、フィキサチーフを吹き付ける。
今度は左側2列がAのパステル用、Bがオイルパステル重色用。
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Bのオイル用は油分をすってまったくダメだが、
Aのパステル専用フィキサチーフをかけた場合に違いが出ている。
下塗りジェッソにAのフィキサをかけてパステルで描いた場合はあいかわらずだが
ジェッソにBをかけた上にパステルで描いた場合は、
その上にAのパステル用フィキサをかけても影響がかなり少ない。

つまり、ジェッソで下塗りした上に
オイルパステルの重色用定着剤(ターレンス社クレパスワニス)でコートし、
パステル描画後、パステル専用フィキサチーフで定着させると、最も影響が少ない。


Blog友さんから水彩絵の具で下塗りをしてはどうか、
という意見があったので、これも追加で検証した。

絵の具は透明水彩、やや濃いめの色を作って、グラデーションにして濃淡をつける。
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パステルで描く。
下三本は、水彩が乾いた後、上のB:重色用フィキサを吹き付けた上に描いている。
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この時点で、絵の具の濃い部分はパステルが滑って乗りにくくなっている。
とくにBフィキサ塗布面は滑ってどうにもならない。
(ガッシュなんかも同様に滑るはずだ)
薄く塗ったところはましだが、
薄く描くと、下塗りで明度を落とすという事はできず、絵の具は形をとるのみ。

ここにA:パステル用フィキサを全体にかける。
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パステルの色にもよるようだが、下塗りの濃い部分ほどパステルのやせと変色度合いが大きい。
水彩の下地にフィキサをかけた上からパステルで描く方法はまったくNGだった。


ジェッソの下塗りにオイルパステルの重色用定着剤をかけ、
その上にパステル描きしたのち、パステル専用フィキサチーフをかけるのが、
今のところ安心なようだ。

専門書によると、多くの画家は一通り着色すると薄くフィキサをかけ、
その上から塗り重ね、また薄くフィキサをかけて、最後に美しいパステル面を作ったら、
そのままフィキサをかけずに保存する方法をとっているらしい。

またある画家は、完成後にグラシン紙でカバーした上で
上から強い圧力をかけてプレスし、パステルを固める方法をとっているらしい。
パステルの滑らかさと粉落ち防止にも有効らしいが、
上のどちらの方法も、保存には細心の注意が必要とのこと。



下地にはドーサ液(膠液の一種)をひいたりする方法もあるらしいが
私の陰影もつけたい目的とは違ってくるので、
単にパステルの付きを良くしたい方は試してみてください。


画家の野窓さんからドガなどの専門技法に関する資料も送っていただきました。
末尾ではありますが、ありがとうございました。

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