日本人全員の最後のセーフティーネット

 31, 2012 02:30
震災、原発事故後の対処や復興予算の取り決めにはあきれるほど時間がかかっているのに、
一漫才師の親が生活保護費を受給していたとわかったら、
支給削減や法改正の採択はこれまた驚くほど迅速に出てきた。
漫才師をかばうつもりもないが、政府役人はまんまとこれを待っていたのだろう。
有名人のスキャンダルにマスコミは湧いているが、
報道の仕方は「またか」という感じで悪くなる一方だ。
あれをスキャンダルとして騒ぐままに報道してどうするのだ。
まんまと乗せられているのはどちらなのか。

我々のいる社会はこの10年で弱肉強食の世界になった。
生活保護というのはこの立ち直りが極めて難しい日本の最後の安全網セーフティーネットだ。
今や国民誰もが無縁ではない、
生きるためのこの国の最後の安全綱なのだ。
これがない、あっても機能しない(支給されない)か
少なすぎて食べてさえいけないようになる世の中というのは、どれほど殺伐とした世の中なのか、
考えてみるとゾッとする。

以前ワーキングプアが問題になった時(今も何も解決していないが)
やはり生活保護のことが論争番組で話題に上ったのを見た覚えがある。
生活保護が自分と無縁と思っている人間は、不正受給のことを問題にする。
どんなよい保障も、悪用する輩は必ず出る。
しかしそのために、本当に必要なところへ支えの手が断たれれば、もっとずっと悪い。
その時の番組でも「悪用する輩」のことが出た。
「ならばその不正受給者は全体の何%なのか?」
そう聞き、唯一数字を知っていたのは当時年越し派遣村村長だった湯浅誠だけだった。
3%の人間のために97%の救いを必要とする人を切るのか、
そういう突っ込みに誰も反論できなかった記憶がある。
今も真実のところは当時とそれほど変わらないのではないだろうか。
目の前でひらひら振られたスキャンダルに目を奪われていると、本質をまた見ないことになる。

不正受給を楯に、生活保護法を役人のものにされてはいけない。
ただでさえ、社会保障費は毎年削り取られているのだ。
「聖域無き改革」とは結局、国の無駄を省かずに我々の社会保障を小さくしている。
この法は我々国民のものであり、日本人全員の最後のセーフティーネットだ。
悪用する輩を取り締まるのは別の問題だ。

強者はそれほど多くないはずなのに、社会的弱者への視線を欠くばかりの日本。
あまりにこの手のニュースが多くて日々気が重くなる。
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