秋の終わり、「幸せな人生を送る秘訣」

 23, 2010 21:54
20101123_落葉

秋の終わりに描き残しのモチーフ、落葉に取りかかった。
今回背景は端材のベニヤを台にした。
思いのほかうまくゆかず、M4のサイズに2日かかってしまった。
葉は一日でしなびてしまい、ぺしゃんこになってしまった。
2日目はその変わり果てた葉を前に、撮っておいた写真も参考にしながら仕上げた。


先日NHKのETV特集で、
クリエイターとしてのを追い続ける3人のアニメーターを取材していた。
この就職氷河期に、大学をやめてまで彼らは自分の作品を作り続ける。
周囲、とくに親たちの理解を得るのが困難なのは当然だが
うち一人は逆に親の介護をしながらの創作だった。
大手アニメ制作会社に在籍してさえ「アニメーター残酷物語」は有名だ。
それをこの厳しい環境下、しかも個人で何千枚もの絵を自分の手で制作しているのである。
この情熱にはほとほと感心する。
「まじめに一生懸命取り組んでいる姿をかっこわるいとか、ダサイとかいう風潮は
 ほんとに我慢できない」と、来場者を前にした挨拶で声を詰まらせながら語っていた。
我々の時代にも「暗い」という言葉があったし、
若者が生活基盤を安定させないまま「一般的でない道(=)」に進もうとした場合、
そういう見方をされるのはいつの時代も変わらないのだ、と思った。
彼らには及ばないかもしれないが、自分にも同様の環境の中で
を追いかけ続けた時代があったことを思い出す。


・・・・
にもかかわらず将来セガレが(美術に限らず)、
その技術を身につけるのも、
それで食べていくのも非常に難しい世界を進みたいと言ったときには
私は強く反対すると決めている。
しかしそれに折れることなく自分の道を選び、突き進んでいってほしいとも思うのである。
親の反対くらいで諦める程度なら、はじめからやめおいた方がいい。
第一のハードルは、つらいことだが親が悪役を務めなければならない。
本心を言えば、無難な道を行って安穏な人生を送るより
挑戦して失敗した傷心のほうがはるかに尊い、と思うのだ。
それには周囲の反対を振り切って突き進むことができる馬力を養うことも必要であり
なんでも手放しで共感して「よしよし」と後押しすることは、必ずしも良いとは思わない。
人間、簡単にその道に入ったものは、志を折ってやめる時もまた安易になるものだ。

彫刻家、ヘンリー・ムーアの言葉にこういうのがある。
「幸せな人生を送る秘訣は、生涯をかけられる様な、
 そしてこの世を去るその日までたゆまず自分の情熱の全てを注ぎ込める様な
 そういう仕事を持つ事である。
 最も肝心な事は、
 その仕事が自分にとって、まったく不可能とも思える仕事でなければならない。」

この言葉ほど、若者へ送るにふさわしい言葉を、他に知らない。
そして今、私自身が自戒をもって反芻している言葉でもある。
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Tag:画家 静物 ムーアの言葉

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