散髪屋(トコや)

 22, 2013 17:22
散髪屋
(油彩、F4)
散髪屋は少し古くは理髪、理容店、もう少し古くは理容所と言い、
そういう店は画のように「バーバー」と看板が出ていたりした。
我々の少年時代は散髪屋、あるいはトコヤと言っていた。
今ではカットハウス、さらにはカットサロンと呼び名がゴージャス化している。
それに反して髪を切る店員のスタイルは医師を思わせる白衣から
客の我々よりさらにくだけた普段着ふうだったりする。
呼び方と見え方は逆転している。
(ちなみに店頭のサインポールの赤と青の線は血管の動脈と静脈の象徴である)

子どもの頃、うちの兄弟の髪は父が切っていた。
中学三年終わりの頃、はじめて駅前の散髪屋に行った時のことを忘れない。
「兄ちゃん、どう切ろうか」
そう聞かれてどう答えてよいかわからず、「ふつうにして」と言ったら
「ふつうってわからんなぁ」と言ってプイと向こうへ行ってしまい
そのまま返事するまで15分くらい放って置かれた。
後ろで順番を待つ客がいる中で自分の知らない単語を探す時間は恐ろしく長かった。
考えに考えて「2センチ、切って」と言うまでの居心地の悪さといったらなかった。
タレントの誰かの名前を言って「あんな髪型に」といえば分かりよかったのだろうか。
理容師のスタイルがカジュアル化して店員との垣根が低くなったのは結構なことだけれど、
私は今なお「2センチ切って」とオーダーしている。
これで通じる行きつけの店を変えることはまずない。
ここをこう切って、うしろは何とかカットにしてなどと
店員を細かくコントロールできる人は別の技術者に思える。
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