コインランドリー

 10, 2013 01:30
コインランドリー

独身の頃、週末天気が悪いとかなり凹んだものだった。
週末は洗濯をしなければならない。
私の入った会社はまだ土曜が休みでなく休みは週末一日だけ、
自宅に洗濯機があれば外出さえしなかったろう。
なかった頃はコインランドリーに通った。

当時の会社は残業代も出なければ休みも少なかった。
今ならブラック企業と呼ばれそうだが、当時の小さな会社はそれが普通だった。
大学を出た友人が上場企業に就職した時、書面の雇用条件を見せてもらって
年間の休日が公休・有給休暇含めて110日とあったのを見てびっくりした。
おおよそ年間三分の一が休みということになる。
その頃、勤勉さが褒められもせず「働き過ぎ」のバッシングを欧米から浴びて
無理やり休みを取らされた日本だった。
突然膨大な休みを与えられて面食らった団塊の世代と
あたりまえのように週休2日とアフターファイブ、バブル景気を享受した「新人類」と
その後のバブル崩壊からずっと続く不景気しか知らない就職氷河期の世代、
「新人類」世代だけどうも分が悪い。
・・・・

厳しい条件下で働かなくてはならない零細企業でも
今のブラック企業と違うのは、そこにいる人間とその関係が大きいかもしれない。
新入社員を社員全員で拍手で迎える、わからないことを親身になって教える、
たったそれだけのことがやりがいはもとより、生き甲斐さえもくれたと、
いつか元非正規社員の人がドキュメンタリー番組で語っていたのを見たことがある。
人の中にいて孤立しない、させない、かつて普通だったことがそうでなくなって
人の心を病むまでになってしまったように思う。
若者の側はといえば、人との直接のコミュニケーションが苦手になって避けるようになり
今では面倒なことはメールやスマホ相手に間接的に行っている。
上司は多少肩書きが立派になっても給料は上がらず、部下の面倒を見る余裕もない。
砂のような個が日本という形をやっと保っている。
「人間性を取り戻せ」なんていう標語を昔はよく見た。
今、「人間関係」を取り戻せば、もう少しみんなが暮らしやすくなる気がする。
「ひとにやさしく」
たったこれだけのことでいい世の中になることは誰でもわかっているというのに
私はもとより人間は、4千年かかってもまだできない。

大阪にいた頃はコインランドリーに置いてあるTVで日曜美術館を見るために早起きした。
といってもその頃朝は中央市場で、平日は朝3時半起きだったからゆっくり寝たのか。

コインランドリーの匂いは好きだ。
洗剤の匂いなのか。
乾燥機から服を出すときのふっくらとした手触りと日向のような香りも忘れがたい。
よく乾いたTシャツをうっとりと着てみれば、ずいぶん縮んでいたりした。

旅先で利用したアメリカのコインランドリーはやはりでかかった。
ステンレス製の洗濯機がずらり並んでいる図はいかにもアメリカだ。
しかし使い方がよくわからない。
すると、周りにいた学校に行っていない少年達がみんなで教えてくれた。

日本は銭湯に付随して営業しているところが多いが、そういうところは狭くて混んでいる。
銭湯が減って、ランドリーとコインシャワーとの組み合わせの所もある。
当時は銭湯の閉店後に帰宅することが多かったので、シャワーの方もよく利用した。

一週間分の洗い物は意外に多くて、洗濯物を2回
多い時は3回は入れ直さないとならず、洗い終わるまで小一時間はかかった。
そこで喫茶店とコンビで営業すればそこそこ売上げはいくんじゃないだろうかと
ヒマなことを考えたりした。
コインランドリーでの思索はやはり飛躍に欠けるようだ。
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Tag:油彩 Landscape Paysage 風景画

COMMENT 2

Thu
2015.01.15
21:46

タブロウ #-

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Re: タイトルなし

トト様
はじめまして。
少し以前の作品を見ていただいたのですね。

コツコツ描いております。
今後ともどうぞ、よろしくお願いします。

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Thu
2015.01.15
02:21

トト #-

URL

初めまして。

この絵、好きです。素敵です。
コインランドリーの中の世界って、独特ですよね。
待ち時間の微妙な感じとか(笑)

また新作を拝見しに伺いたいと思います。
楽しみにしてます

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