おやつをもらう

 21, 2014 12:27
セガレがまだ小さい頃だから、5〜6年前のことである。
二人を連れて、その日は東へ向かう地下鉄に乗っていた。
奥さんがいたら必ず車に乗って出かけるので、その日そこにはいなかったはずだ。
その時向かいには和服を着た年配の女性がひとり乗っていた。
セガレたちはふだんは乗らない電車に乗って、いつもよりおとなしくしていた。
着物の女性はセガレたちをじっと見つめていたが
やがて手提げの中に手を入れて、なにかを探っているようだった。
次に腰を浮かし、こちらのセガレたちに向かって
今手提げから出したその手を握ったまま、ぐっと差し出してきた。
「おあがりなさい」
セガレたちの手のひらに乗っていたのは氷砂糖だった。
私自身が氷砂糖を見たのも、それをおやつとしている人を見たのも
ずいぶん久しぶりのことだった。

そんなことを思い出すと、氷というよりあの粉を吹いたガラスのようなカケラを
口に入れたくなってお菓子屋へ向かった。
はたして梅酒用以外にお菓子として小袋で売っているんだろうか。
心配にはおよばず、コンビニにはなかったものの
意外にも大手スーパーのお菓子売り場にちゃんと並んでいた。
しかもただの砂糖のかたまりにすぎないこの飴が
いろんな風味のついた今ふうのシュガーレスキャンデーなんかより4割方高いのである。
自分が買いに来てなんだけれど、買う人の顔を一度見てみたい気がする。
子供の時と何ら変わっていないように見える氷砂糖もよく見ると変化がある。
昔は一つ一つ氷の形に成形されていたように思うが、今のは大きな固まりを砕いたように見える。
粒のサイズに小さくはないばらつきがあって、子供には食べにくい大きさもあるようだ。
製造過程の効率化がこんな氷砂糖にも及んでいる。
うちでは梅酒なんかも造らないのでもう二度と買わないかもしれないと思い、
長く使っていなかったオイルパステルを引っ張り出して、
比較的大きさが近い氷砂糖を三つ並べてそれを描いた。
オイルパステルはソフト〜と違い、フィキサティーフをかけても色が変わらず、
定着もしっかりできる。
こちらも意外に使い勝手が良いことを再確認。

氷砂糖
(F0、オイルパステル)
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