ひじをつく友人

 02, 2014 13:45
ひじをつく女性(F4、油彩)

都内と横浜近辺のレンタルスペースを借りながら、
リサイクルのモダン着物を扱う仕事をしている友人の女性は
実店舗を持っていないので、いつも販売会場の手配のことが頭から離れない。
商品の性格上、会場は大正昭和期に建てられたレトロなところを選んで催している。
いい場所とわかれば同じところを1〜2年をかけて巡回することになる。
ところで最近不動産業界が活況といわれる中、
販売会場にしてきた稀少なレトロ建築の物件が二件続けて建て替えられることが決まり、
近く使えなくなることがわかった。
安くて古くて交通の便のいい場所をまた探さなくてはならないと彼女はこぼす。

彼女はもともと私と同じ業界で仕事をしていたが、
自分らしい仕事を求めて今の仕事に行き着いた。
一生つきあえる仕事と若いうちに巡り会う幸運というのはなかなかない。
若くして天職に出会ったとしても、その仕事に自分が受け入れられるとは限らないし
その仕事自体が社会に残っていかない場合もある。
一筋に10年続けていればそれが天職になったのは過去のことだろうか。
かつて終身雇用で生涯ひとつの仕事を全うするのがごく普通の人生だったが
そういう時代はバブルとともに終わった。
当時そういう不安定な社員の立場を「自由」と勘違いして
「働き方の多様性」などと言い換えられれば、それを聞いた若者は皆いい調子だった。
社会は人にいい面だけを見せようとする。
その耳障りのいい理由付けは今も派遣業界はじめ、いろいろなところで生き延びている。
今の仕事(職場)は10年後もあるのかと、
自分よりも乗っている船である企業の行く末を案じながら勤めている。
天職よりも今日を維持することが容易ではない時代。
個人事業ならばなお切実である。
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Tag:肖像画 Portrait

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Wed
2014.09.03
20:49

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