風が連れ去った役者

 20, 2014 00:09
高倉健さんが亡くなられた。
もっともっと多くの作品に出たかったろうに、
そのあたりの不遇は黒澤明監督の晩年と似ている。
「あと5本」と執念を燃やして言葉通り5本撮って亡くなった監督。
高倉健さんははたしてどうだったろう。
90年代に10年間、2000年代にも6年の長きにわたり出演がなかったとか。
妥協を許さぬ姿勢が、結局は出演作を自ら限定してしまったのかもしれない。
70歳を過ぎても、老人の役は断っていたそうだ。
葬儀は近親者だけで済ませられたそうだけれど、
もう立派な弔辞を読める人もまわりにあまりいないだろう。
役者が亡くなったときの弔辞は印象深いものが多い。
原田芳雄が松田優作に読んだ弔辞が忘れがたい。

「優作。
 俺は今までおまえが死ぬところを何度も観てきた。
 そしてその度におまえは生き返ってきたじゃないか。
 役者なら生き返ってみろ!
 生き返ってこい!」

たった五行の弔辞。
健さんに「生き返ってこい」とタメで言える知人は、もうこの世の人ではなくなっている。
タフで、スクリーンでその姿を見られないときもテレビのCMでは毎日目にしていたから、
いつまでも目の前にいそうな気がしていたのにその最期は、
まるで風が連れ去ったようだ。

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COMMENT 2

Sun
2014.11.23
03:03

タブロウ #3h4yWL0g

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こちらこそすっかりご無沙汰してしまって申し訳ありません。
Blogを拝見していますと、しょうちゃん兄もかなりお忙しそうですね。

健さんの黄金期は、私の世代からは少し離れています。
最初に存在を知ったのは、横尾忠則さんのポスターやエッセイででした。
好きな作品も晩年のもののほうが実は好きです。(「鉄道屋」とか)
でも、新作の記者会見や、海外で観客から拍手を受けて涙する健さんを見るたび、
いつももらい泣きでした。

いい句をありがとうございます。
いつにも増して、ぴったりの句だと思いました。

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Sat
2014.11.22
08:41

しょうちゃん #bGf9qjkw

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タブロウさん ご無沙汰しております
ヤクザ映画は嫌いなので任侠シリーズは見たことは無いのですが 好きな山口瞳さんの小説が 高倉健さん主演で映画化された時見ましたが 寡黙が芸になる人だと思いました

 やさしさや風と去り行く牡丹かな  う

お忙しいそうですね ご自愛下さい

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