ふたたび、雪の田園調布(P8)

 02, 2011 17:31
雪の田園調布-2

長い時間がかかったのに、とりかかっていたのは前回と同じ時、同じ場所の
雪の田園調布駅前の風景です。
前回の仕上がりがどうにも満足できず、
サイズも一回り意大きくし、8号(8P)にして再度取り組んだ。
・・・・
二度目ならば一気に描けそうなものだが
キャンバスの下絵を前にして少しも筆がつけられず
2週間が過ぎてしまった。
どこに満足できなかったのか、
仕上がりはどういう色になっているはずなのか、
それがイメージできずに手がつけられなかった。
自分以外の人には何が変わったか「?」だと思う。
なんとか一応の仕上がりを終えた今、
私にとっては半歩でもかまわない、少しでも前へ進めただろうか。

画家が描いた雪景色の絵は多いけれども
「(雪が降っている)夕暮れ時」というのは少ないと思う。
その点が自分にとってはちょっとした挑戦だったのだけれども
これがなかなかうまくいかなかった。
一応の完成をしていても、この絵はまだ満足いくような色調が出ていない。
そして実際の風景の前に立てない歯がゆさがある。

実際の雪景色は10年前。
写真では色はあまり参考にならず、
実際の色調は現在の似たような天気の日の空を見ながら想像するしかない。
明るい昼の時間ならば雪の白は輝いているが、夕方となると
水墨画のような墨の濃淡の世界になる(それがまた美しいのだが)。
しかし雪と街は無彩色、あるいはそれに近い色調になりながらも
ただのグレーの濃淡ではない。
実際に降雪の景色の中に立った時、空と雪にどういう色を見るか。
先日東京に雪が降った時、
降雪直前の夕方の空はやはりグレーであったが、
そこに「青」を見ることも「赤(紫)」を見ることも
そして「焦げ茶」を見ることもできた。
気のせいだろうか。

思うに何事によらず色というのは「相対的」なものだ、と思う。
青みを帯びていると見ることもできれば赤みを帯びていると見ることもできる。
視界に入った建物、葉の落ちた樹木、通行人、
そういう空と雪以外の隣り合ったものと一つの画面上に見た時に
全体の色に関係性が生まれる。
実際我々が見ている風景はそれらが関係し合って表れるものなのだろうと思う。
この絵では、空、そして遠くから近景へと色を置いたところではじめて
空と雪の、無彩色のモチーフの色が見えてきた。
それが定着できるまで早ければ二回、
今回の絵で私は空と雪、それぞれ4回の塗り直しが必要だった。
それでなお、色が出ていない感がある。

ちなみに私はいわゆる「黒」やグレー系の絵の具は使っていない。
黒が入った着色面には、明らかに濁りが出てしまう。
これは大阪時代に竹中先生から教わった最も大事なことでもあった。
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Tag:油彩 風景画 Paysage Landscape

COMMENT 4

Thu
2011.03.03
12:24

タブロウ #PGU.XRQE

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No title

>hananoiroさん、こんにちは。

日本画では白の絵の具は何種類かあるんでしょうか。

良くも悪くもなりますが、乾くとまた色が少し変わります。
経験を積む必要がありますね。

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Thu
2011.03.03
12:14

タブロウ #PGU.XRQE

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No title

>アイビーさん、こんにちは。

気になる点が出てくると、
それをうまく解決している画家、作品に目がいきますね。
白の絵の具もいろいろ試してみたいんですが、
1本あたりのサイズが他より大きくなかなか減りません。
国産のセール品を買ったら残り1/4で急に固練りになり、使いにくくて困りました。
今はBLOCKSを使っていて非常に使いやすいんですが、
人によっては柔らかすぎるかもしれません。

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Thu
2011.03.03
09:41

hananoiro #-

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No title

こんにちは!

無彩色の世界を色で表現すること、とても難しそうです。
日本画でも光と影を白黒の明暗で表現するのではなく、
補色を使って表現することをします。

印象派も今では新しい感じは持ちませんが、じっくり見てみるととても勉強になります。

やはり2枚目の作品の方がこなれた感じがしますよ。

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Thu
2011.03.03
09:08

アイビー #2toZYr9Q

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No title

グレーって本当に難しいですね。
オールドマスターはいかにも簡単に使いこなしていますが。

私は黒より白の使い方に苦労します。
市美展でも色が濁っている作品が幾つかありました。

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