ガス橋

 12, 2015 01:40
ガス橋
(オイルパステル)
日航機御巣鷹山墜落事故から30年が経ったと、ニュースで伝えていた。
戦争が終わってから経た時間の中間地点に近い。
そう思うと、ずいぶんたった感じがする。
事故後、現場を訪れた事故機の機長の奥さんがインタビューを受けた。
「今、ご主人にどんな言葉をかけてあげたいですか」と記者に聞かれ、
「あなた、垂直尾翼が無くなっていますよ、と教えてあげたい」と答えたそうだ。


まだ寒い季節に描いた廃屋をふたたび描こうと川を下ったが、
以前は自由に通り抜けられた川辺の歩道が、今はそこだけ侵入できなくなっていた。
真新しいフェンスが物々しく取り囲む様子には断固としたものが見て取れ、
どうも川べりの土地占有の問題が絡んでいるようだ。

そこから引き返して川をさかのぼり、ガス橋のところまでやってくる。
奥に見える橋がそのガス橋で、
川崎で作られたガスを東京都へ送るために作られた橋だ。
橋の側面にここからでも太いガス管を見て取れる。
幅が狭く、車道は片側一車線で両側を挟む歩道も人がすれ違うくらいの幅しかないのは
もともと人道として渡した橋だったからだ。
Wikipediaによると昭和35年に車も渡れるよう改造されたようだが
渡って見れば一見して老朽化が進んでいて、
橋の上で渋滞する車の列を見ていてちょっと心配になるほどだ。
川崎側の川岸には個人のものだろうか、プレジャーボートがもやってあり、
木製の貧弱な桟橋が川べりの草むらから川へせり出している。
人気のない休日の午後、ここに腰掛けてスケッチブックを拡げた。
夏の日差しと熱気は幾分しのげて川べりの風景を描くのに都合がいい。
ただ、床板は一枚ごとに板と同じ間隔のすき間があるので、
落とし物をしないよう、気を遣うことになる。
川べりの樹木が風に揺れる様、川の水面に映る雲の輝き、
本当は描くより、ぼんやり見つめている方が楽しい。
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Tag:Landscape Paysage 風景画

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