川と電波塔

 11, 2015 01:47
川と電波塔
(ペン、色鉛筆)
前日とはうって変わって薄曇りの空に河原に寒風が吹き抜ける。
雲がうす墨で引いたように重なり合った様は織物のようだ。
河原の釣り堀よりも大きい鳥の川鵜が、一群になって泳いだり飛び立ったりを繰り返している。
川の両岸風景は大きく変わっても、
水面の様子は何十年も前とあまり変わっていないのだろう。

野坂昭如さんが亡くなった。
文章のうまい人だった。
3年前に藤本義一さんが亡くなった時は気がつかなかったが、
孤狼的な作家が集まった「野良犬会」の最後の一人だった。
一匹狼が集まるというのは理屈に合わないけれど、
「どこにも(鎖を)つながれていない作家達」というくらいの意味であったと思う。
そう呼ぶしかない、主に焼け跡派の作家達のグループだった。
文壇史にも書かれていない集まりは今東光を中心に(思い出す限り)、
梶山季之、柴田錬三郎、黒岩重吾、田中小実昌、井上ひさし、吉行淳之介、
長部日出雄、山口瞳、戸川昌子、藤本義一、そして最後の一人が野坂氏だった。
司馬遼太郎もこれら作家にとても親しくしていたはずだけれど、
ここに入っていたかどうかはわからない。
しかし名前を聞くだけで今の作家にはない、一筋縄ではいかぬ迫力がある。
野良犬会の作家はこれで一人もいなくなったことになる。
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