宴前、「府中裏通り」

 14, 2015 03:04
府中裏通り
(ペン、色鉛筆)
あまり飲めないながらも、年末に飲む機会は毎年二度。
どちらも気の置けない友人との集まりで、
ひとつは以前勤めていた制作会社の同僚、後輩と、
もう一つは、小学校時代からつきあいの続く最も古い友人、例のボリウッドマンと。
こちらは昨年から映画がもとでつながった友人恩人も合流し、
さながらアジアン・シネサロンの様相を呈してきた。
皆さん仕事としてかかわっておられるからアジア映画への造詣が深く、
ここ何年かかじった程度の自分はもっぱら聞き、食べるだけだ。
公開へのプロセスが厳格なビジネスのルールに則った欧米の映画に比べ、
はったりが強く、無茶でアバウトなアジア映画の興業界は、
ルールや常識無用のアナーキーさがやっかいだがおもしろい。
当然作品にもそれは現れていて、熱狂的なファンが少なくない。

話は前後するけれど、宴まで少し時間があったので、
裏通りを歩いて気に入ったところを描いた。
府中というのは古い町で、大化の改新の頃に始まり、
江戸時代には甲州街道の宿場町「府中宿」として栄えた。
駅前の再開発された繁華街を離れると、そういう歴史とは無縁な、
しかしかなり古い路地を発見してひとり喜んだりする。
もちろん「保存」されて残っているわけではなく、
建て替えられずに住むしかないから残っている民家であり、それらは目に見えて傾いている。
横に立っている電信柱まで傾いているからどれが本当の垂直線かわからない。
画の正面の三角屋根の家は築百年、植え込みしか見えないが、
道路を挟んで反対側の家は築130年とのことである。
どちらも現役の民家で、住人の人からそう聞いた。
右の家屋は住むにはすでに限界が近いとみたが、
補修は木とトタンとが入り交じり、反対側の壁は風情もくそもない、
真っ白なトタンが一面に張り巡らされている。
もと漆喰と瓦屋根の住居はその点においてバラック化している。
かなり無茶な住み方をしているが、中を見てみたい衝動にも駆られる。
奈良にはもっと古い住居があるが、
こういう「つい残ってしまった」家屋というのは建て増し部分や補修あとにルール無用、
(おそらく)素人建築の強烈なアドリブが効いていてる。
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