岬の喫茶店

 04, 2016 23:37
凪の内房
(ガッシュ)

長いはずだった休暇もあっというまに終わりだ。
いつのまに高速はこんなにバカ高くなっていたのか。
それがため、ついに遠出をしなかった。
せめて一日くらいどこかへ行くかと
Google Mapでお隣の千葉県内房の海岸線をたどる。
ある岬をぐっと拡大すると、「こんなところに」と思うような突端に喫茶店の名前が。
今から行けばランチに間に合うかもしれない。
川崎から木更津へ渡るアクアラインは800円と意外に安い。
時刻は13時に近かったが、アプリで見ると14時にはつけそうだ。

車を運転するうち、岬にある喫茶店の映画があったような気がしてきた。
たしか吉永小百合さん主演のDVDがTSUTAYAに並んでいた。
うろ覚えはやがて確信に変わったが、アクアラインを出たところでICの道を間違え、
かなりの時間をロスしてしまった。
空腹に耐えながら「ランチは間に合わなくともカレーを頼もう」とひたすら岬を目指す。

やってきた岬の上の店は、はたして映画「ふしぎな岬の物語」のモデルにもなり
ロケ地にもなったその店だった。
あとでネットで調べたら、休日は小さな空き地のような駐車場が一杯になって
入れないほど混むことがあるという。
残念ながらその映画は見ていないけれど、数年経った今も変わらないのだろうか。
こういう場所に野菜を売っている店やドライブイン、そば屋なんかはよく見る。
でもカフェや喫茶店でないとドラマにはならないのはどういうわけだろう。

この日は平日のせいか年配の夫婦が二組と、バイクのひとり旅らしき男性くらい。
一組入ってくれば別の組がが出ていく、といった感じだった。
残念ながらメニューにカレーはなく、
コーヒーとトーストのおそい昼食を絶景の窓際でとる。
席も空いていたので、ママさんに一声かけて外のテーブルで画を描かせてもらった。
時刻はすでに16時を回りそうだ。
日没が閉店時間なので、少し急がないといけない。

目の前は浦賀水道とよばれ、東京湾に出入りする船が遠くに行き交っている。
ここから見ていると、ぶつからないのか心配になるほど船の数は多い。
こちら、岬の上はたくさんのトンボが舞っている。
トンボは気がつかないのか、私の足下には食料の蚊が多いぞと言いたい。
空と海の色は刻々と色を変え、オレンジ色に染まりきる前に筆を置いた。
そこから先は画にはならず、見ているだけのほうが幸せだ。
日本の各地で自然が起こした災害がうそのように、
目の前の風景は美しくおだやかだ。
すぐ近くの港からは対岸の三浦半島へフェリーが出ている。
いつか鉄道で来てフェリーに乗り、
久里浜経由で東京湾一周するのもいいなと思った。
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