船と飛行機

 22, 2016 02:13
浦賀水道をゆく船_20161015-4(ガッシュ)

大きな地震が鳥取であったとラジオで伝えていた。
続いて話は東京で将来起こりうる大地震の可能性について、
気象庁だったかの発表では東京で40%、神奈川で50%以上であり、
やはり大地震の来る可能性はかなり高く、
東京の我々にとっても人ごとでは決してないのです、云々。
いや、そうではなかったと思う。
私が東京へ来た30年ほど前、夕方の天気予報ではもっとはっきり言っていた。
「近い将来、東京には関東大震災と同規模の大地震が必ず来ます」
そう言い切っていて、上京し立ての私は震え上がったことをはっきり覚えている。
こちらはうろ覚えだけれど、期限も「30年以内に」と言っていたように思う。
あれからそろそろ30年が経つ。

仕事場近くのやや気取った古書店に、
安い文庫本が毎日積み足されるようになった。
角川や新潮の大量販売大量消費されたものではなく、
筑摩や中公、平凡社ライブラリー、講談社の文芸文庫といった、
古本好きのごちそうラインナップがうれしい。
私は出久根達郎さんと、串田孫一さんの随筆を一冊ずつ購入した。
串田本はあとでゆっくり読むとして、出久根さんのエッセイを読み始める。
話はいつもの古本についてではなく、飛行機の旅についてである。
TVの仕事で初めて飛行機に乗った出久根さん、
エコノミーとビジネスクラスの差がわからなかった。
ちなみに私も30歳くらいまでわからなかった。
理由も同じで飛行機に乗ることがなかったからである。
ビジネスクラスの席が取れなかったことを担当者が恐縮し、謝る。
「私は平気だった。乗れればよい。仮に墜落したところが、
 上等のクラスだったからといって助かることはあるまい。
 船とは違う。船の場合は、確実に上等室の客が、助かる。
 水面よりはるかの高みに部屋があるからである。」
映画タイタニックを見ていながら、あまり考えたことがなかった。

日本の国内客船では、せいぜい三等室までしか見たことがない。
私が初めて船旅をしたとき、混んでいて、
さらに下の「布団部屋」へ入れられた。
初めて海外へ出たときもロシア(当時ソ連)への船旅で始まり、
そこは初めて聞く六等室だった。
ただし、2人部屋であるロシアの六等は
衆人雑魚寝の日本の三等よりもずっと部屋はいい。
どちらの部屋にも窓などあるはずもなく、
そうか、部屋の安さは命の値段だったのだ。
飛行機の席のランクはサービスのランクであり、
船の部屋のランクは命の序列なのだと、
今頃になって気がついたのだった。
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