ゴジラが歩いた風景(大田区)

 06, 2016 01:38
夏に公開された大ヒット映画シン・ゴジラをそろそろ公開も終わりに近くなり
やっと私も劇場へ足を運んだ。
たまたま二子玉川の新しいシネコンで見たのだけれど、
劇中すぐ近くの多摩川河川敷でゴジラと自衛隊が全面対決するシーンがあって
リアルというよりも、ふしぎな気分で見ることとなった。
東宝で今年もう一本のメガヒットとなった「きみの名は」もそうだけれど、
現実に住民が生活する都市、町内風景を執拗・丹念に描くことによって
あり得るはずのないストーリー、ビジュアルを
「明日起こるかも」という錯覚を起こさせてくれることにまずは大きな拍手である。
遅ればせながら観終わって、
シン・ゴジラは大田区民に区土愛あふれる作品となっていた。

私にとって作品最大の見所は、
友人のボリウッドマンがエキストラ参加した3つのシーンの発見だ。
しかし出た本人もついに見つけられなかったのに私などが見つけられるはずもなく、
映画はあっという間に終わってしまった。
いつ息継ぎしているのかわからないような途切れのない台詞、
膨大な出演者につく肩書きの字幕、
そして「友人を探せ」のチェックと、けっこう労力のいる映画だった。
とりわけ楽しかったのは、
私のなじみのある写生場所にゴジラが上陸し、大暴れしていることだ。
映画のロケ地巡りをしている人は多いけれど、
私は自分の画で劇中のゴジラの足跡を、少々長くなるが追ってみよう。

まずベビーゴジラが上陸する呑川は、
最近4回くらい通った「大森の放水路」(内川)の支流で、その一本東に流れる川だ。
逆に一本西には多摩川が流れる。
内川と呑川はよく似ている川風景だけれど、
せっかくなのでこの週末に本家の呑川も描いてきた。
川幅は内川の倍くらいある。
どちらも水の流れはあるかなきかのよどんだ川で、
ゴジラにあの黒い水をあふれさせられるのは、両岸の住民にはたまらん話だ。
呑川夕景
(ガッシュ/2016年)

さらに北品川へと移動する
知らない人にはわかりにくいけれど、通過点はまさにこの画を描いている頭上で、
キャメラは川と橋を隔てて私の背後200mほどの位置にある。
北品川(オイルパステル/2015年)

そして一度海へ帰って行くときには、
天王州運河を抜けてこの城南島から見える対岸左の埋め立て地を這い、
海へ飛び込んでいる。
たぶん五輪でもめていた、あの会場予定地付近だろうと思う。
ゴジラはこの画の海を潜って東京湾を出ていった。
東京湾夕景01(ガッシュ/2016年)

成長したゴジラは鎌倉に再上陸後、
歩きながら再度多摩川を目指してやってくる。
ゴジラもこのあたりがよほど好きらしい。
放射性物質が好物なのに、理解に苦しむところではある。
画の奥に見えるタワーマンションの間を抜けてくるのだけれど、
狭いところを建物に指一本触れることなく通過したのは誰の配慮なのだろう。
ともあれ、住民には思い入れの深いシーンだったに違いない。
すすきと水たまりといわし雲(オイルパステル/2015年)

ゴジラが自衛隊のロケット弾に怒って破壊するアーチ橋がこの丸子橋。
跳ね上げて落ちてくるのがこの風景を見ている場所、浅間神社の見晴台だ。
ここは社務所の屋上なので、
映画のようなことが起こったら自衛隊の指揮所は建物もろとも崩れ落ちてしまう。
そして映画に出てくるもう一つの品川神社と同じく、
ここにも富士塚がある。
何か関係があるんだろうか。
銀杏越しの多摩川
(油彩、F6/2013年)

河川敷、シンゴジラのキャメラは、
この画で私の座っていた場所のごく近くに三脚を立てたとおぼしい。
「堰(調布堰)」(F4、オイルパステル/2015年)

自衛隊の戦車が大砲を打ちまくって走り回る河川敷が
ここから少し上流へ行ったところだ。
セガレの学校のグラウンドも戦車のキャタピラに踏み荒らされたはずである。
水たまり(水彩に木炭/2016年)

ゴジラが多摩川の川崎側で大暴れする図は、
ここ浅間神社の見晴台から見た同じ構図がくり返し出てくる。
ゴジラが立っていてもやはり、いい風景だなぁと思う。
多摩川、薄雪(パステル、6F/2012年)

雪降る多摩川(油彩、P8/2013年)
長くなったけどいやはや、私にはとても楽しいゴジラ映画でした。
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COMMENT 4

Wed
2016.12.07
01:40

タブロウ #3h4yWL0g

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いやー、自衛隊の攻撃が全弾命中、それも顔面付近に、
痛そうでした。。

貫通爆弾、たしかイラク戦争で米軍が使ったバンカーバスターという名前の爆弾でしたね。
名前だけは知っています。

いろんな兵器の命中精度も現実に即していたのは、意外に新鮮でした。
今までは至近距離から打っているにもかかわらず
外れた弾が多くて付近の街をめちゃくちゃに破壊していましたからね。

しかし我が町が映画に、それもゴジラにミニチュア(CG?)で出てくるのはうれしいものですね。
寅さんがやってくる町の人の気持ちがよくわかりました。

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Tue
2016.12.06
22:53

フルート #-

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>>よく覚えておられますね

まぁ、付き合いもあって予期せず三回も観ることになりましたからね…そりゃあ覚えちゃいますよ(笑)
しかも三回目はつい先週のことです

>>被弾したようすがずいぶん痛そうだった

もしかして夜間に行われた米軍による爆撃とごっちゃになってはいませんか?
ゴジラが痛そうにしていたといえば、爆弾※が首筋に直撃して大量出血したシーンが思い浮かびましたので…そうでなかったらすいません

※この時ゴジラに使用されたのは単なる爆弾ではなく、核爆発が及ばない地下要塞攻略の為に使用される地中貫通爆弾という兵器であり、面で焼き払う核に比べ、点の威力に限れば核をも上回る怪物爆弾だとか
劇中では逃げ遅れた都民を地下に避難させていましたが、地中貫通爆弾の特性上、何の意味も無いでしょうね…
幸い(?)外した爆弾は無かったようですが、これが切っ掛けでゴジラの怒りを買い、東京が火の海になったと考えると(恐らく地下に逃れた都民の多くは蒸し焼き)、まるで東京大空襲の再現のようでもあります

Edit | Reply | 
Tue
2016.12.06
21:43

タブロウ #3h4yWL0g

URL

フルート様、専門的なご指摘、まことにありがとうございます!
よく見て、覚えておられますねぇ。

ロケット弾の件は、大画面で見ていて、被弾したようすがずいぶん痛そうだったもので
「ゴジラ、怒ってるな!」と思い込んでいました。
またいろいろ聞かせてください。

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Tue
2016.12.06
18:45

フルート #-

URL

>>放射性物質が好物なのに、理解に苦しむところではある

いえ、どうやら今回の作品のゴジラは放射性物質が好物という訳では無いらしく、取り込んだ元素を自在に変換する能力を有している(変異していく過程で獲得?)為、水と空気だけでも生存が可能なようです(劇中の「霞食ってる仙人みたい」という台詞はこれを受けてのもの)
故に今作のゴジラは、人類文明の脅威であると同時に、人類に無限の物理的可能性をもたらす福音となりうる存在のようです(例えば土から水や食料を生成出来るようになれば、この世から食料難が無くなる)

>>ゴジラが自衛隊のロケット弾に怒って破壊するアーチ橋がこの丸子橋

あれって怒ってるんですかね?たまたま脚か尻尾に当たって吹っ飛ばされただけなようにも見えます

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