
(ガッシュ)
出かける時間が遅くなって(いつものこと)、
この日は久しぶりに近場の池上本門寺に来た。
参道の階段を上ると池上の町が見渡せる。
ここお寺には有名人の墓が多く、
「力道山のお墓はこちらです」の看板が建っているのは
墓参者がよほど多いと見える。
墓地でありながら人通りは多く、もはや公園という感じだ。
膨大な墓石の中を歩きながら、
それぞれの家の資金力や歴史の長さなどは一目でわかるものの
こんなものが本当に必要なのだろうかと考える。
墓は寺にひとつ、みんな同じところに収めて拝んでもらえばいい。
やっと一生を全うしたのだから、
せめて骨をしまう場所くらい皆等しく心配無用にしてもらいたいと
私は思うのだけれど、どうなのだろう。
もう少し展望の開けた場所を求めて境内を歩く。
どこもそうなのか、社務所の屋上が展望台になっていて、
ここの階段でスケッチブックを開く。
展望台付近はカメラを持った人が多い。
右下に小学校の校庭が見える。
サッカーの試合は見覚えのあるユニフォームだ。
3年前だったらそこで応援に立っていたはずだ。
子供の時間の流れに、親もまた乗って流れている。
セガレたちが卒業した今、もし筆を持っていなかったら、
いったい何をして休日を過ごしていただろうか。
こないだ始まったばかりの今年が、もう終わりが近い。
仕事がなくともこの時期は何かといそがしい。
年の瀬のあいさつ、忘年会、クリスマス、大掃除、
いつのまにかNHKの行く年来る年で除夜の鐘を心おだやかに聞くのが
一年で一番ほっとする時になってしまった。
これは確かに若いときにはなかったことだ。
年齢を重ねたからよりも、仕事と数字に追われる身になったせいだと思われる。
とはいいつつ、ケーキも雑煮も好物。
さて、今年はあと何枚描けるだろうか。
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