多摩川のシルエット

 22, 2017 22:09
多摩川のシルエット
(ペン、インク)

川のシルエット、というのもおかしな言い方だけれど、
ペンもインクも青一色で描くとそんな感じになる。
早くも今年最高気温となった週末、
なんども描いたこの橋の上からの風景をまた描きに出かけた。
そういえば、青のインクと一緒にセピアも買ったことを思い出した。
セピアだけを仕事場の棚に並べて置いたら、大きな地震が来た。
揺れて落ち、ビンが割れたのは6年前の東日本大震災のこと。

以下は5日のこどもの日に書こうと思っていたこと。
子どもの頃、収集癖があった私は大事なものが手に入ると
それを棚の上に飾ったりせずに、缶などに入れてどこかに埋めた。
まるで犬のような癖だけれど、一週間もすると掘り返して
今度は壊れるまで遊び倒すのだった。
大事にしているようで消費は早く、どれもきれいに残っているものは無い。
それでも当時から今も大事に残しているものはいくつかある。
あるとき、特に大事にしていたキャラメルのオマケのカードを
やはり薬の缶に入れて家の前に埋めた。
団地の周りは芝生が植えられていて、
さらにその周囲にはセメントの杭が突き出ていた。
缶はその杭の横に穴を掘って埋めたのだった。
「宝ものは何番目の杭に埋められている」と物々しく紙にメモしたが、これをなくした。
しかし、たった一つの数字くらい忘れるはずがないと高をくくった。
そのまま何週間か過ぎ、ある日ふたたび掘り出しにかかった。
見つからない。
兄弟総動員してそのあたりにある杭すべて掘り返したが、見つからなかった。
近所の悪ガキの顔を思い浮かべて「あいつが掘ったか」と疑ったりしたが、
やはりわからなかった。

月日は流れ、水道管の工事のため、
そのあたり一帯をパワーシャベルで掘り返す工事が始まった。
私はその場にいなかったのだけれど、
弟がその工事の様子ををじっと見つめていた。
シャベルが何度目かの土をすくい上げたとき、「あっ」と声を上げた。
すくい上げた土の中からぱらぱらと白いカードがこぼれ落ちたのだ。
それは私が以前そこに埋めて見つからなくなったあの宝物だった。
子供のこと、工事を止めてくれと頼むこともできず、
弟は掘り返した土の上に飛び降り、そこに落ちたカードだけすばやく拾った。
工事のおじさんは「こら、危ない!」と怒っただろう。
弟は一目散に家へ駆け戻ってきた。
その夜一部始終を聞いた私は「持つべきものは兄弟」と感動した。
さらに、自分がその場にいたら工事を止めてもすべて回収したのになぁ、
と残念にも思ったものだ。
そのカードは以後埋めたりせずに、今もしっかり持っている。
(コレ↓)
トコちゃんキャラメルおまけカード(森永トコちゃんキャラメル おまけカード)
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