梅雨の晴れ間

 04, 2017 01:42
アーチ橋のシルエット
(インク、水彩)

週末、ビデオに撮っていた古い映画の「戦場にかける橋」を見ていた。
その前に「ライアンの娘」(これも古い作品)を見てすごく良かったので、
週末はデビット・リーン作品を連チャンで見ることになった。
「ライアンの娘」はすごく良かった。
作品半ばになって飄然と現れるのが重要な役どころとなる
クリストファー・ジョーンズ演じるドリアン少佐(不思議な名前)。
ジェームズ・ディーンに似たこのハンサムで憂いのある役者が最高なのだけれど、
あまり聞いたことがないと思っていたら、この作品を最後に引退してしまったのだという。
出演作はわずかに三本、そういうあたりもJ・ディーンを思わせる。
どちらも戦争の不毛を描いた傑作だけれど、「戦場にかける橋」は男性ばかりが出るからか、
戦場における交戦国どうしの、男の国民性が描かれる。
それは戦争における国際協定にさえ優先する精神的なもので、
自由の国米国のW・ホールデン演じるシアーズ中佐には理解ができない。
日本人(早川雪洲演じる斎藤大佐)の武士道と
英国人(アレック・ギネス演じるニコルスん大佐)の騎士道、
その間で自由に、人間的に動き回る米国兵の描き分けがリーンの腕の見せ所だ。
(ただし英国人以外は日米ともに丁寧に描かれているのはどちらもひとりだけ)
収容所から脱走に成功し、橋を爆破するためにするふたたび戻ってくるシアーズ中佐が
爆破作戦の準備を終えてこう言う、
「想定は往々にして想定以下の結果をもたらすという。」
(以下「ただ、今回はうまくいきそうだ」と続くが、結果は敵味方に大きな犠牲を残す。)
いろんな局面でこのセリフが現実の教訓になることは多い。


現実の世界に戻って。
一夜明けて新聞やTV、ラジオの言葉の風景は一変した。
選挙の想定は想定以上の結果を出したようだ。
無力感の厚い雲が立ちこめていたところに突然割けた晴れ間、
といったところで、気分がが少しだけ軽くなった。
今まで、強引な政治も不祥事や疑わしいことも、一週間で忘れる寛容な国だった。
2大週刊誌のスクープや前川さんの告発の貢献などもあるけれど
TVで見た、菅幹事長を1時間近く追求した、
東京新聞の望月記者の姿がもっとも鮮明に残っている。
質問相手に食い下がる姿は、米国で今、大統領とプロレスさながらの
ペン(というよりキー)によるバトル繰り広げるジャーナリストの姿を思わせる。
ああいう人にしっかり光を当てて大きな拍手をしてあげれば、
マスコミも「いい仕事」をするるのだろうな。
そうでなければ新聞は遠からず、存在価値がなくなってしまうだろう。

現実にはまだ暴走するタンクを一時停止させたにすぎず、
これまで突然現れた新しい地方政党がそのままうまくいった試しもない。
ひとつの政党が新たに議会を独占しているのも、状況は同じといえば同じだ。
躍進の元になった都知事も、政治的思考の根っこは現首相と同じ方向のはずで、
その後気が変わったとも聞いていない。
それでもやっと見えた晴れ間には違いない。

画は少し前に描いた橋の画。
スポンサーサイト

COMMENT 0

WHAT'S NEW?