裏町風景(自由が丘)

 30, 2017 13:14
自由が丘旧街区(ガッシュ)

西日に浮かぶ街はどこの街だってしみじみとした美しさを持っているのだろう。
以前、会社勤めしていた都心の街ではしかし、そう感じたことは少なかったように思う。
前を見ていないと人とぶつかるような忙しさだったからだろうか。
10年以上自由が丘の街で一日の半分以上の時間を過ごしてきて、
一番好きな風景は、夕暮れ時に西日を受けたビル、路地だ。
その時間帯になると、他からやってきた人の数も徐々に減ってきて
街はやや落ち着きを取り戻してくる。
自由が丘は昔、こんなに大勢、とくに女性の集まるお洒落な街ではなく
学生とサラリーマンが飲みに集まる街だったらしい。
それほど大きくもないこの街は、変わるとなるとあっという間に別人になったようだ。

昔の顔を残す一角がある。
そこの夕暮れ時を描いた。
時代に取り残されたようなハデハデネオンはいつしかシミジミ看板となって
こういうかつて繁華街でよく見た様式は、さながら「キャバレー建築」といった風情だ。
貼り付けられた文字、「夢のパラダイス」のフレーズが想像力を膨らませる。
この骨董品的ネオンサインに、最後に灯が入ったのはいつなのだろう。
今はビルのテナントもすっかり入れ替わっているし、
あたりには女性向けの雑貨店が通りを埋めて、ここはすっかり浮き上がっている。
かつておじさんたちを誘い込んだ赤や黄色の灯は、今では夜も灯ることなく、
新陳代謝を繰り返す街の中で、意外にも癒しの風景となっている。
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