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ルドン展/平岡瞳版画展

 04, 2018 22:57
ルドン展と平岡瞳展

GW初日、中途半端な時間ができたので、
午後やや遅めから展覧会へ出かけた。
ルドンー秘密の花園ー展は思ったよりずっとよかった。
ルドンは風景画と色彩を得てからの後半生の作品が好きなのだけれど、
今回、その両方の良い作品が来ていた。
ルドンはリトグラフや木炭によるモノクロームの怪奇な世界を描いていた頃から、
油彩による風景画の小品を生涯にわたって描き続けた。
作品はまったくのプライベート作品で、画家の引き出しや棚の中にしまい込まれて
売られることなく手元に残された。
それについては以前ここに書いたことがある。
練習がわりに描かれたこれらの風景画は後半生のパステルによる花の連作につながる、
やはりルドン以外の何ものでもないタッチだ。
そして花器に生けられた不思議な花。
花を描いて一目でその名前が浮かぶ画家は、長い美術史上でも多くはいない。
ほかに私はファンタン・ラ・トゥールの、やはり花器に入れた花の画が好きだけれど
ルドンは花の画を描くにあたり、ラ・トゥールにアドバイスをもらったということだ。

ところでルドンの展覧会を企画すると、ここ三菱一号館美術館は館所蔵の花の絵、
「グランブーケ」をいつも別格扱いで展示する。
「花の絵の名手、ルドンが描いた花の画で最大の作品を買った」というから
わからないでもないけれど(高かったのだろうと思う)
私にはサイズが大きいというだけでどうにも大味に見えて仕方がない。
ずっと小さい作品でももっと良い作品があるのにと思う。
会場出口付近にお土産ショップがあって、
ここに売られていた花の絵のポスターもグランブーケのみ、
というからチカラコブが入っている。

そこには図録を含む本なんかもあったけれど、ある文庫本の表紙絵に目がとまった。
装画が地味ながらすごくよかったので奥付を見たら、
これは昨年個展にも行った、平岡瞳さんという作家の絵だった。
「いい仕事してるなぁ」
そう思いながら会場を後にしてコーヒーを飲みに行き、
時間つぶしにさきほどの平岡瞳さんを検索したら、今個展を開いているとのこと。
それも会場がすぐ近くなのは何という偶然だろう。
カフェを出て、さっそく個展会場の銀座伊東屋へ向かった。

「平岡瞳版画展ー旅のメモ」というタイトルの小さな版画作品が数十点、展示されていた。
余談で、リニューアルされた伊東屋へはじめては入ったのだけれど、
ずいぶんイメージが変わった。
洗練されたスペースデザインが都会的なモダンさと機能を併せ持っている。
以前は最上階にあった喫茶室も、一階にスタンドカフェとしてオープン。
一階の企画スペースでは、今年発売60周年を迎えた
マルマンのスケッチブックフェアをやっていた。
ここのスケッチブック、私にはちょっと紙が薄くて使っていないけれど
ロングセラー商品というのは大事にしたいものだ。

そこから裏へ回って、
別館地下一階で開催されていた平岡瞳さんの個展、すごくよかった。
版画といっても作品のスタイルにはいくつかあって、
カラーの作品も素晴らしいが、万年筆のブルーブラックのインクを思わせる
青のシリーズが私は好きだ。
一見青の単色刷に見える作品は、
ほんの少し色味や明るさを変えて刷られた多色刷りだ(3〜4色ほどかと思われるが)。
それによって表現された深い青がとても魅力だ。
墨の単色風景木版画にもいいのがあって、実際欲しくてたまらなかった。

ルドンは今月20日まで、平岡瞳版画展は19日まで。
どちらもおすすめ(会場も近いし)。
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