東京23区-7「中央区(丸ノ内)」

 06, 2018 22:46
20180503(オイルパステル、水彩)

都心にある歴史的な建物は新しい超高層建築に埋もれて
まるでガラスや金属の島にあいた深い穴の底のようなたたずまいだ。
丸ノ内にある三菱一号館美術館は、
そんな摩天楼の街の真ん中に2010年に復元されたレンガ造りの洋館。
すぐ近くの東京駅といい丸ビルといい、
街に顔が必要なときには目もくらむような高層ビルよりは
こんなレンガや石造りの歴史建築のイメージを借りることが多い。
同じく近所の丸ビルや中央郵便局は、
旧建築の「皮」一枚を残してビル自体は新たに高層化され、
床面積は数十倍になっている。
三菱一号館のように歴史的建物をそのままの容積で復元というのは
珍しいかもしれない。
しかし同じ敷地内に超高層ビルがセットで建てられているとはいえ、
この土地に三階建ての建物とはずいぶん贅沢だ。
でもおそらく損はしないようになっているのだろう。
歴史的建物と周囲の都市的な景観との残念な対比は札幌の時計台を思わせるけれど、
その高低差のコントラストはこちらのほうがはるかに大きい。
こういう跡地に元々あった建築の痕跡をどこかに残すといったスタイルは
東京や横浜で複数ある。
安藤忠雄の表参道ヒルズあたりが火付け役だろうか。
「痕跡を少しでも残して、町の記憶を残す」という提案は
安藤さんはたしか80年代からしていたと思う。

「歴史的」といってもたかだか百年ほど前の様式だ。
現在流行のガラスで覆われた超高層ビルと、レンガ造りの低層ビルと、
200年後にはどちらが街の記憶としての「顔」になるだろうか。
その両者が夕暮れ時には、シルエットの中で静かに共存しているようだ。
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