この夏、出かけた話(その3、温泉巡りのこと)

 30, 2011 00:44
家族とのキャンプ旅行では海水浴と温泉巡りのカップリングが、
セガレたちが小学校に入って以降の定番スタイルである。
「泳ぎ」がなければ子供たちのヨロコビはなく、
「温泉」がなければ妻の賛同は得られない。

ところでここ数年、「秘湯」と呼ばれるところに必ずぶら下がっている
「日本秘湯を守る会」と書かれた提灯の湯はどうにもいただけない。

秘湯を守る会

主に東日本しか行っていないけれど、この提灯の下がっている秘湯の宿は
皆どこか似ていて、良くも悪くも洗練されすぎている。
(だいたい、車で簡単に行けて、秘湯ではない)
建物も新しいところが多く、「秘湯」という言葉に違和感を感じる。
秘湯であるはずの風呂場も大型に改築されているところが多く、
こちらも皆雰囲気が似ている。
思うに、東京あたりで全体のプロデュースを手がけている
企画会社のようなところがあるのではないだろうか。
一度こういうふうに本格的に工事してしまうと、今後何十年もこのままなのだろう。
各地の秘湯として特色ある「ひなび方」「枯れ方」をしていたはずなのに
まったくムダなことをしたものだと思う。
・・・・
そのムダなことをしてしまった温泉が多く取り上げられているのだけれど、
我が家が数年前から「秘湯巡り」のバイブルにしているのが
2006年に発行された雑誌 自遊人の夏の別冊だった、その名も「秘湯へ。」
秘湯へ


レイアウトや写真もきれいで、発行された最初の年には
付録の「入浴無料券」を大いに活用させてもらったものだ。
秋田にある、温泉湯が滝のように流れ落ちる川原毛大滝湯なんかも忘れがたい。

教訓として、地元の人に「いい温泉」を聞くと
こちらの意図とはちょっと違った場所を勧められることが多い。
必ずや関東にも多い、新しめの大型の立ち寄り湯なんかを勧められて
地方のひなびた温泉宿を期待する向きにはがっかりさせられる。
(ただし、おいしい店は地元の人に聞くのがいい)


ところで、昨今マイカーに必ずついているナビなんかには出てこないが、
道路地図なんかをよくみると、
国道脇や町外れに唐突に温泉マークがついているところがある。
もちろん名前も書いていない、マークだけである。
一軒だけが離れ島のように建っており、宿泊用の宿もない。
村の人だけが利用する(つぶれかけの)銭湯のような、
蛍光灯の照明も雰囲気も暗かったりすることが多い。
子供たちにはおそらく不評になること間違いなしだが
妻と二人で旅していた頃にはこういうところによく立ち寄った。
もう名前も場所も忘れてしまったが、枯れたような湯船の風景は今も忘れがたい。

「この夏、出かけた話」だったけど、今回の温泉は前の「その2」を読んでください。
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Tag:温泉

COMMENT 4

Thu
2011.09.01
16:59

タブロウ #3h4yWL0g

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夜通し走って出かけていく「秘湯」ですから、
少しわがままも言ってしまいますね。

ところで、
新築の家、マンションは不況でもこれだけ販売数が多いのに
一般的な住居室内の写真なんかを見ると機能一辺倒で
そこになにかを飾るようにはできていない気がします。
白い壁はあるものの、「そのままにしておいてくれ」というような。
日本の生活に絵画が入ってきにくいのは、
もしかするとそこの設計に関わる人たちなんかの考え方にも
その根っこがあるかもしれませんね。

設計したときに建築士が「ここにはこういう画があったほうがいいから」と
もう家とセットで考えていて、依頼主ができあがった家に越してきたら
「これはいいねぇ」とかいって喜んでくれて、
一般の人はめったに自分からそういう買い物をしませんからね。
たとえばの話ですけど。
ただ、建築士のセンスに問題があると、これは最悪ですが。。

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Thu
2011.09.01
05:59

のまど #-

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私タブロウさんのお気持ちが良く解ります。

要するに秘湯と言いながらチェーン店化してるのが寂しいですね。

まあ確かにぱんどるさんの意見は現実的で、絵描きの下りは身につまされます。
私達は買って画家の生活を支えて下さるのが客さんなんです。

ブログで沢山の展覧会の感想を書いてる方が居ますが、べた褒めしてる作家の紹介で『一枚も売れてないのは不思議、無名で値段も驚くほど安い』と言う記事がありましたが、ほんならアンタが買ったんかいとツッコミを入れたくなります。

まあ所詮と言っては失礼かも知れませんが、自称評論家諸子は作家程は真剣では無いんでしょう。

画廊の方は良く解ってて『あのお客はパーティーに来て毎回ダダ酒飲んで帰るだけ、話好きなだけなので相手にしない事』って耳打ちされました。

秘湯の話に戻って、、私なんか秘湯に望むモノの中には、フランス語でデジャビュ(既視感)の否定があります。

中野のブロードウエイにあったクラシックの名曲喫茶なんてその典型でコーヒーミルクはマヨネーズの蓋に入って来ましたし、ギシギシと言う薄暗い階段を上り吹き抜けの中二階席に座ると、天井の隅から空の光が洩れてました。

当時どんな有名デザイナーが演出した店よりファンタジーを感じました。

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Wed
2011.08.31
00:35

タブロウ #3h4yWL0g

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「経営」の前に、身勝手な秘湯志向は吹き飛んでしまいますね。
たしかに宿は一人でも多くの客に来てもらいたいはず。
昔の名画座が良かったと言っても、その便所臭さは誰しも敬遠するもの。。

しかし、2、3軒行っていただくとわかると思うんですが
入り口から湯船まで地域は変われど、どこもよく似てしまっているんですよ。
「風呂なんてそれほど変わるものではない」、とも言えますが
それにしてもちょっと残念です。

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Tue
2011.08.30
22:22

ぱんどる #-

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ん~~そうなんですかね~

と言っても私は、すぐに のぼせるので 湯は好きではない^^;

まぁ~しかし、地方だってうまくやって行きたく
秘は、希望ではないはず
だって 人気が無く経営が厳しいと言う条件付ですからね~貧乏はなかなか希望してないと思います。
たとえば
絵描きは、貧乏じゃなきゃダメだ!^^とよく言われ
喜んで絵を観るだけみて、指導というカモフラージュのクレーム山ほど言って
20年以上楽しんで何も買わない人(お前は、まだダメだから買わない!という名文句付き)
実は、日本中沢山いらっしゃる
何故か、絵画ファンなどと呼ばれておるようですが
単なる荒らしにすぎないチンピラヤクザ

言うのは簡単ナンすけど、秘はつらいっすよ^^;

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